花粉症のセルフケア

花粉症とは？

暖かい春の訪れが待ち遠しい毎日ですが、花粉症の方にとっては辛い季節ですね。
今年は急な気温の上昇もあって、既に花粉が飛び始めている地域もある様子です。
本来、花粉は人にとって有害なものではありません。
しかし、アレルギー体質の方は、害はないけれど花粉を身体の敵と勘違いをし、アレルギー反応が起きるとされています。
言い換えると、アレルギー反応は身体に入ってくる異物（抗原）に対して、体内でそれを防ごうとする自衛力（抗体）で起こる、抗原抗体反応です。
人間には身体の中に細菌などの有害なものが入ってくると、それを排除しようとする仕組みがあり、抗体があると病気にかからずに済むとも言えます。

漢方では、花粉症の原因は風邪（ふうじゃ）と防衛力の戦いと考えられています。
春の季節の花粉症は主に風が運んでくる寒さや湿度、乾燥などが原因と言われます。身体が主に働くのは、下記の2つです。
１、「衛気」身体の表面を流れて防衛する
２、「営気」身体の内側を流れて栄養を運ぶ
「衛気」と「営気」が協力して身体を守っています。
この2つの気が乱れると、「衛営不和」と言って色々な疾患が起こります。
身体の外側（皮膚や喉の粘膜）が弱い方、食事などの生活習慣の乱れによって、栄養バランスが崩れている人、身体の内側（営気）が弱い人が花粉症にかかりやすいと言われています。

根本的な改善に向けての対策方法

漢方で花粉症を治すには、風邪（ふうじゃ）などに対する症状の緩和と、根本的な治療として「衛気」と「営気」の働きを良くする事を目指します。
花粉症の薬は、出ている症状を抑えるだけですが、漢方では原因を治していきます。
体質や食生活によって症状も違ってくるので、花粉症の薬を飲みながらでも、生活習慣の見直しや食生活で体質改善する事が花粉症を根本的に治す一番近い方法です。

花粉症の体質タイプ

鼻水が水のように止まらない、くしゃみを連発する方は、身体が冷えている、身体の水はけが悪い、寒湿と言うタイプです。
この様な症状の方は、肺や胃を温めて、症状を抑え、冷え性や水はけを改善する漢方薬や食品を選びましょう。

ネギ類、生姜、ニンニクなど身体を温める食材、肉類は羊、魚はエビなどのタンパク質、山椒、クローブ、胡椒などのスパイスが良いので、調理の時に活用していただけると良いですね。

身体の水はけには、小豆。黒豆、はとむぎ。

くしゃみには紫蘇、紫蘇は生姜と同じ「辛温解表」と言う分類の生薬、身体を温めて汗を出し、熱も下げると言われています。紫蘇の香りは気を巡らせる効果もあります。

鼻詰まりの症状の方は、身体に熱を持つ「湿熱」の方が多い傾向です。
身体の熱をとって、鼻詰まりに効く食物は、たんぽぽ、冬瓜、緑豆、ドクダミ、ハトムギなどがおすすめです。たんぽぽは、お茶なども出ていますので手軽に飲めます。

目の周りがカサカサ、痒みのある方は潤い不足の「そう邪」、身体の余分な熱を取り除き、身体を潤す必要があります。
白キクラゲ、ゆり根、緑豆、菊花、ヘチマ、ハッカがおすすめです。
一緒に鳥の手羽肉など煮込んでコラーゲンも摂るとお肌がしっとりします。

食生活の改善と生活習慣の見直し、質の良い睡眠を心がけていただくと、かなり症状は緩和されていきます。花粉症に限らず、体質改善を心がける事は、さまざまな未病を防げるので是非お試し下さい。

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